違いを解説|収入、所得、手取りの違い、ちゃんと理解してる?知らないと損するお金の話

こんにちは! 森文子(もりふみこ)です。
「違いを解説シリーズ」にようこそ!
このシリーズでは、
よく似た言葉の違いを
わかりやすく解説していきます。
言葉の意味をしっかり理解することで、
情報を正しく読み取れるようになり、
結果的に「損をしない人」になれますよ。
似ているようで、
実は意味が全然違う言葉ってありますよね。
とくに「お金」に関する言葉は、
なんとなくの理解で済ませてしまうと、
あとで困ることも。
今日のテーマも、
そんな「似て非なる言葉」のひとつです。
今日のテーマ
「収入」「所得」「手取り」の違い、きちんと理解してますか?
「収入」「所得」「手取り」
この3つの言葉、
普段なんとなく使っているけれど、
意味の違いをちきんと説明できますか?
実はここを曖昧にしていると、
税金や手元に残るお金の計算で、
損をすることもあるのです。
でも大丈夫!今日もやさしく、
丁寧にお金の話をお届けいたします。
一緒に学んでいきましょう!
「収入」は、入ってくるすべてのお金
まずは「収入」について。
これは、税金や社会保険料などが
差し引かれる前の金額のことです。
いわば、果物の皮つき状態です。
皮も種もぜんぶついたままの「まるごとフルーツ」。
まだ食べられる状態にはなっていませんが、
中身はしっかり詰まっています。
このあと、皮をむいて種をとって、やっと
「食べられる部分」=「手取り」が見えてきます。
「収入」は、
まるごと全部のことなのです。
会社員の場合
会社員の「収入」は、
給与の総支給額を指します。
給料明細で言えば「支給欄の合計」。
基本給、特別手当、残業手当、通勤手当などが
含まれていますね。
つまり、税金や社会保険料が差し引かれる前の金額です。
自営業者の場合
自営業者の「収入」は、
いわゆる売上金額のことです。
より正確には、雑収入なども含みます。
例えば、事業に関する助成金や補助金
などが含まれます。
つまり、お仕事で入ってきたお金のすべてが「収入」です。
🍊「収入」は「まるごとフルーツ」
「収入」は、入ってきたお金の全体像。
まだ何も差し引かれていない、
スタート地点の金額です。
皮も種もついたままの
「まるごとフルーツ」状態です。
「所得」は、収入から必要経費を引いた額
「所得」は、収入から必要経費を引いた額です。
この「必要経費」というのは、
「その収入を得るために使ったお金」のことを言います。
ちなみに「所得」という言葉は、税法上の用語。
所得税法では、所得を10種類に分類しています。
・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・給与所得
・退職所得
・山林所得
・譲渡所得
・一時所得
・雑所得
会社員の場合(=給与所得)
会社員の所得は「給与所得」と呼ばれます。
給与所得の計算も、当然、
「収入」ー「必要経費」=「所得」
ただ、会社員は自営業の人のように、
収入から経費を差し引く制度がありません。
そのため、国が定めた「必要経費」を、
差し引く仕組みとなっています。
これを「給与所得控除の額」と言います。
お給料の額に応じてその額は定められています。
ですから、会社員(給与所得)は、
「収入(給料の総支給額)」から
「給与所得控除の額(国が定めた経費)」を差し引いた後の額
=「給与所得控除”後”の額」
これが会社員の「所得」になります。
自営業者の場合(=事業所得)
自営業者の所得は「事業所得」と呼ばれます。
「収入(売上など)」から
「必要経費(仕入・家賃・広告費など)」を
差し引いた残りが「所得」です。
ここでいう経費には、たとえば、
・事業税など租税公課
・水道光熱費
・旅費、通信費
・広告宣伝費
・接待交際費
・損害保険料
・修繕費
・消耗品費
・減価償却費
・給料賃金
・地代家賃
・税理士への支払手数料
・雑費
などが含まれます。
「事業所得」は、ざっくり言えば、
「利益」や「もうけ」の感覚に近いですね。
(厳密には違いますが、ここではそのイメージでOK)
🍊「所得」は「皮をむいたフルーツ」
「収入」-「必要経費」=「所得」
これが「所得」の基本的な考え方です。
フルーツの皮をむいた状態です。
「手取り」は、自分が自由に使えるお金
最後にご紹介するのが「手取り」です。
果物の皮をむいて、種も取った、
食べられる状態のこと。
皮や種とは、経費や税金、保険料などのことです。
払うものをぜんぶ払ったあとの残り。
それが「手取り」です。
つまり、あなたが自由に使えるお金のことです。
会社員の場合
会社員であれば、
「手取り」は、給与の支給額です。
給与明細で言えば、「差引支給額」にあたります。
実際、あなたの手元に振り込まれる額ですね。
自営業者の場合
自営業者であれば、
「所得(収入ー必要経費)」から、
・所得税
・住民税
・健康保険料
・国民年金
などの税金や保険料を差し引いたあとの額が
「手取り」にあたります。
厳密に言うと、たとえば「減価償却費」など
お金が出ていかない経費も差し引いているため、
本当の意味での「手元に残るお金」とは
多少のズレがありますが。
ま、でも、ざっくり言えば、
「所得」ー「税金・保険料」=「手取り」
という感覚でいてくれたらOKです。
🍊「手取り」は「食べられる状態のフルーツ」
「手取り」は、私たちが自由に使えるお金です。
必要経費や税金、社会保険料など、
全てを差し引いたあとに残る「生活費の原資」。
つまり、生活をやりくりするための
現実のお金です。
家計管理の基本は、
「収入>支出」を守ることですが、
ここでいう「収入」は、
手取りの額で考えることが大切です。
FP森文子(もりふみこ)からのメッセージ
「収入」「所得」「手取り」の違い、もうバッチリですね!
覚えておいてほしいのは、このようなイメージです。
🍊「収入」は、まるごとフルーツ
→入ってきたお金ぜんぶ(税金などを差引する前の額)
🍊「所得」は、皮をむいたフルーツ
→必要経費を引いたあとの「もうけ」に近い金額
🍊「手取り」は、種も取って、食べられる状態のフルーツ
→実際にあなたが自由に使えるお金
言葉の意味がクリアになると、給与明細や確定申告書を見る目も変わってきます。そして何より「手取り」を意識するだけでも、お金の流れがグッとつかみやすくなります。小さな気づきが、暮らしにゆとりを生み出す力になっていきますよ。知らなかったから損していた‥なんてことにならないように、こうした小さな知識を、少しずつ自分の味方にしていきましょうね。
それでは、次回の「違いを解説シリーズ」もどうぞお楽しみに!!
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