起業家必見!経営者だからできる節税法「小規模企業共済」
「節税法」
それは適法に税負担を減少させる方法です。
節税法は、本当に多岐に渡り様々なものがあります。全ての方法を実行すると、かなりの節税になることは間違いありません。ただ、その方法を知らない人は、多いのです。
ここでは、経営者だからできる節税法「小規模企業共済制度」についてお伝えいたします。
▼目次
● 小規模企業共済制度ってどんな制度?
● 小規模企業共済制度の特徴
● 小規模企業共済制度に加入する方法
小規模企業共済制度ってどんな制度?
経営者だからこそ取り組める節税法のひとつに「小規模企業共済制度」を利用するという方法があります。貯金をしながら、節税もできる、優れモノです。
制度の概要
小規模企業共済制度とは、個人事業主を含む小さな会社の社長さんが、自分の退職金をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。毎月の掛け金は、1,000円から70,000円の範囲で、500円単位で自由に設定できます。途中、減額や増額も可能です。掛金は、年払い、半年払い、月払いから選択できます。小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
▼中小機構のホームページ
http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html
小規模企業共済制度の特徴
掛け金は、全額所得控除
小規模企業共済の掛け金は、全額所得控除の対象です。所得に対してかかる税金は、所得税と住民税がありますね。これらの税金は、売上から必要経費を差引し、さらに所得控除を差引したもの(課税所得)に、税率をかけて計算がされます。掛け金の全額が所得控除になるということは、掛け金に所得税率と住民税率をかけた相当額分の税負担が軽くなるということです。例えば、月額2万円を掛けている場合は、年間掛金が24万円になりますね。仮に、所得税、住民税ともに10%(合わせて20%)の税率だった場合、24万円の20%である4万8千円もの税負担が軽くなる、という計算になります。所得税率や掛け金の金額は、その人により違いますが、最大で462,000円の節税することができる制度となります。
受取時も、税負担が軽い
小規模企業共済は、事業を廃止したり、法人を解散したときや、役員を退任したときに、共済金を受け取ることができる制度です。共済金を受け取るときは、所得税などの税金がかかりますが、その際も各種控除があり、受取時の税負担が軽くなります。
◆共済金を一括で受け取るとき
退職所得扱いになります。受け取った共済金は、退職所得控除という所得控除を受けることができます。退職所得控除額は、勤務年数(掛金納付月数)が長ければ長いほど大きくなりますから、最初は少ない金額からでも良いので、なるべく早めに加入して、掛金納付月数を長くすれば、より節税効果が得られます。
◆共済金を分割で受け取るとき
公的年金等の雑所得扱いになります。受け取った共済金の額から公的年金等控除額を差引することができますので、共済金は分割で受け取っても、税負担が軽くなります。
◆本人死亡により共済金を遺族が相続するとき
相続により受け取る共済金は、みなし相続財産となります。相続税の計算時、退職金の非課税枠が使え、相続税の負担が軽くなります。
◆任意解約のとき
一時所得扱いになります。解約金は掛金の80~120%。任意解約は、場合によって受け取ることができる共済金が掛け金を下回りますから、その場合は損をしてしまいます。掛け金は、継続ができる金額を設定し、長く加入していられるよう心がけると良いでしょう。
お金を借りることもできる
小規模企業共済には、融資機能もついています。万が一、資金繰りに困ったときは、頼りになる存在となるでしょう。
資産が目減りすることもある
掛け始めてすぐやめると、共済金の給付がゼロになってしまいます。掛金納付月数が20年未満で任意解約をしたときは、受け取ることができる共済金が掛け金を下回り、損をしてしますから、一度加入をしたら、できるだけ長く掛け続けることが望まれます。
また、経済情勢が悪化すると共済金が減る可能性もあります。政府が運営する機構ですから、安心できる制度ではありますが、絶対に安心とは言い切れません。日本がつぶれてしまったら、小規模企業共済もつぶれるのです。極端なケースではありますが、その点も注意が必要です。
小規模企業共済制度に加入する方法
小規模企業共済への加入手続きは、商工会、商工会議所、青色申告会、金融機関などですることができます。個人事業主の場合は、確定申告書の控えが必要。開業したてで確定申告を一度もされていない方は、開業届の控えが必要です。法人の場合は、履歴事項全部証明書など、役員登記が確認できる書類が必要になります。書類に不備があれば手続きが完了しませんので、中小機構のホームページを一度ご覧になってくださいね。
FP森文子(もりふみこ)からのメッセージ
まずは、資金繰りに留意して、掛け金の額をきめましょう。この制度は、最終的にはお金が残る計算にはなりますが、目先のキャッシュがなくなりますので、今のキャッシュフローと将来のキャッシュフローのバランスをみながら掛け金を決めると長く続けることができますよ。
法人役員であれば、掛け金の分だけ役員報酬を増額することで、より節税効果を得ることができるかもしれません。法人では役員報酬(損金)が増えることによる節税効果があり、個人では所得控除を受けることによる節税効果があります。法人と個人は税率が違いますから、税率の高いほうで得をするようにできればいいですね。法人の場合は、個人と法人の節税を、あわせて考えることがベストです。税理士先生と相談しながら話を進めていくと良いでしょう。
小規模企業共済制度は、掛け金を支払うときにも税負担が軽くなり、共済金を受け取るときにも税負担が軽くなる、という、税制優遇が非常に大きい制度です。節税ができて、貯金ができる、そして、いざというときにはお金を借りることもできる、とっても優れモノ。使わないという選択肢がないと言えるほど、メリットの多い制度です。ぜひ、加入を検討してみてはいかがでしょうか。
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