つみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)

「節税法」
それは適法に税負担を減少させる方法です。

節税法は、本当に多岐に渡り様々なものがあります。全ての方法を実行すると、かなりの節税になることは間違いありません。ただ、その方法を知らない人は、多いのです。

ここでは、つみたてNISA(累積投資契約に係る少額投資非課税制度)についてお伝えいたします。

▼「一般NISA」は、こちらの記事をご参考になさってください。
知識の森「NISA:ニーサ(少額投資非課税制度)」

※NISA制度は、平成21年創設以来、毎年見直しがされています。
改正の都度、なるべく早く記事は更新いたしますが、若干のタイムラグがあることをご承知おきくださいませ。

▼目次

● つみたてNISAってどんな制度?
● つみたてNISAのメリット
● つみたてNISAのデメリット
● つみたてNISAの始めかた

つみたてNISAってどんな制度?

制度の概要

つみたてNISAは、累積投資専用の少額投資非課税制度の愛称。累積投資とは、コツコツ積み重ねる投資のこと。一般NISA同様、税金をおさえながら投資をすることができます。2037年投資分まで、投資により得られた利益に対して課税は行われません。

一般NISAとの違いは、年間の非課税投資枠が40万円と少ないこと、投資期間は20年と長いことなどがあげられます。投資ができる金融商品は、金融庁で厳選された長期、分散、積立投資に適した商品となっており、選択肢は少ないものの、投資初心者には取り組みやすい内容となっています。

制度の恩恵を受けるためには、非課税口座を開設し、そこで投資を行う必要があります。一般口座や特定口座で投資を行っても非課税にはなりません。

非課税口座内ではどれだけ利益を上げても税金はゼロ。これだけ聞くと大変素晴らしい制度に感じますが、実は様々な制限が設けられています。 なんでもかんでも非課税というほど国は甘くはありません。

この制度は、租税特別措置法(9条の8、37条の14)に定められています。

租税特別措置法は、期間限定の法律。
税法には、所得税法や法人税法や消費税法など、基本原則となる法律がありますよね。この基本的な法律とは別に、期間限定の定めが書いてある法律が租税特別措置法です。租税に対する特別な措置を定めた法律。読んで字のごとくですね。とりあえず臨時的な法律なんだな~と解釈しておけば良いでしょう。措置法や措法と表現することもあります。

つみたてNISAは20歳になってから

つみたてNISA口座を開設しようとする年の1月1日時点において「20歳以上で日本在住」であれば、この制度を利用することができます。

※ 2022年4月からは、18歳から利用することができます。民法改正に伴い未成年者の定義が18歳未満となることから、つみたてNISA利用開始年齢も現行の20歳から18歳に引き下げられるためです。

投資上限は年間40万円

つみたてNISA口座に投資ができる金額は、年間40万円まで。月々でいうと、3万円程度です。それ以上の投資は、課税口座で行うことになります。

毎月、2ヵ月毎、年2回のボーナス月のみ、など、金融機関により取り扱いの期間は異なりますが、概ね一定の期間ごとに、定額でコツコツと積立投資を行います。

非課税期間は20年

2019年中に投資をした分についての運用益は、2037年末まで非課税
2020年中に投資をした分についての運用益は、2038年末まで非課税
2021年中に投資をした分についての運用益は、2039年末まで非課税

といった感じです。

この期間中は、どれだけ利益が出ても税金はゼロです。
非課税期間が終わると、ロールオーバー(非課税期間が終了した翌年の非課税枠に移行)するか、売却するか、課税口座へ移すか、いずれかを選択します。

※現法律では、2018年投資分がロールオーバーできた最後の年。
それ以降の投資分は、制度終了によりロールオーバーができません。

投資枠は繰り越せない

その年に使いきれなかった投資枠を、翌年に繰り越すことはできません。

1年間で30万円の投資しか行わず、残り10万円の枠が余ったとしても、それが翌年の上限枠にプラスされることはありません。使い切れなかった投資枠は毎年リセットされ、翌年は新たに投資上限40万円でスタートです。

1人1口座しか持てない

非課税口座は、1人につき1口座しか開設することができません。

つみたてNISA口座が開設できる金融機関は、銀行、郵便局、証券会社など。それぞれ取り扱う金融商品や手数料に違いがあります。

金融機関の変更はできる

つみたてNISA口座は、手続きをすれば、年単位で金融機関を変更をすることができます。口座を開設した金融機関で手続きの方法を確認しましょう。つみたてNISAから一般NISAへの変更も可能です。

金融機関変更前につみたてNISA口座で保有していた金融商品は、変更前の金融機関でそのまま最長20年間の非課税が適用されます。変更前の金融商品を、他の金融機関に移管することはできません。

つみたてNISAのメリット

株式投資ができる

NISA口座は、非課税口座(NISA口座、つみたてNISA口座、ジュニアNISA口座)のなかでも、唯一、株式投資が行える非課税口座。ほぼすべての銘柄を選ぶことができます。

一括投資ができる

投資の方法については、制限がありません。毎月コツコツ積立投資をしてもいいし、一度で120万円の商品に投資することも可能です。

運用益は非課税

非課税口座内での運用で得た利益に対しては、所得税や住民税が課税されません。

一般口座や特定口座では、投資で得た運用益に対し譲渡所得の税率(20.315%)が課せられます。例えば、10万円儲けたら、税金2万円を納め、手取りは8万円、といったイメージ。これが、つみたてNISA口座なら税金がゼロ。10万円儲けたら、そのまま手取り10万円になります。

確定申告は不要

つみたてNISAは非課税のため、確定申告をする必要はありません。

いつでも換金OK

iDeCoのように、何歳まで引き出せないといった制限はなく、通常の投資口座(課税口座)のように自由にお金を出し入れできます。

つみたてNISAのデメリット

損益通算できない

つみたてNISAで行った投資により生じた利益や損失は、損益通算も繰越控除もすることができません。つみたてNISAは、利益に対して課税の計算が行われないと同時に、損失についても課税の計算から除外されるのです。

損益通算とは、
投資により生じた損失を、他の譲渡益と相殺することにより、税負担を軽減するもの。損益通算してもなお控除しきれない損失があるときは、翌年以後3年間の繰越控除を受けることもできる(つみたてNISAはそれらができません)。

つみたてNISAと併用不可

非課税口座は1人1口座ですから、一般NISAとつみたてNISAを併用することはできず、いずれかを選択することになります。年度ごとに、一般NISAとつみたてNISAを変更することは可能です。

つみたてNISAの始め方

金融機関を決めましょう

NISAを利用するためには、銀行や郵便局、証券会社などの金融機関で、非課税口座(NISA口座)を作らなければなりません。金融機関により取り扱い商品や手数料が違いますから、事前に確認を。また、銀行や郵便局では株式投資ができませんので、株式投資をする方は証券会社などを選びましょう。

準備しておきましょう

◆マイナンバー記載書類
・個人番号カード(マイナンバーカード)の両面写し
または、通知カード+免許証などの本人確認書類(金融機関により本人確認書類の種類に違いがあります。事前に確認を。)

申し込みをしましょう

証券会社では、まずは証券総合取引口座を開設する必要があります。証券総合取引口座を申し込むときに、同時に非課税口座も開設できます。その際、NISAかつみたてNISAかのいずれか指定を行ってください。もともと総合口座をお持ちの方は、希望するNISA口座の開設のみで大丈夫です。

インターネットや電話、窓口などで資料請求し、必要書類を返送します。ネット証券などでは、WEBのみで申込手続きを終わらせることも。必要書類をアップロードし、必要事項を入力すれば、口座開設完了です。WEBで開設した場合、早いところで当日から取引することができます。 あっという間ですね!

FP森文子(もりふみこ)からのメッセージ

NISAとiDeCoは、併用することができます。
社会人となり自分で稼げるようになったら、まずはiDeCoへ加入して老後の自分に仕送りを始め、それと並行する形でNISA(あるいはつみたてNISA)を活用し、今を楽しむためのお金を効率的に殖やしていきましょう。

「きちんと商品を選んで高い利回りを狙いたい」という方は、迷わずNISA。「商品を選ぶのが面倒。そこそこ利益があればいい」という方は、つみたてNISAでコツコツ。

NISAは措置法。措置法は期間限定の法律です。ですからNISA制度には終わりがあります。制度があるうちに始めなくては非課税の恩恵は受けられません。法律は知っている者の味方です。

実は、措置法のなかには、繰り返し繰り返し期間の延長を重ね、数十年単位で続いている定めもあるということをご存知でしたか?住宅借入金等を有する場合の特別税額控除(住宅ローン控除)が良い例です。

NISAについての定めは、今のところ2023年の投資分までですが、もしかしたら、期間の延長がされる可能性もあるかもしれません。あるいは、つみたてNISAに一本化される可能性も。色々とうわさが絶えませんが、最近の動きでは、金融庁が2019年8月、NISA制度を恒久化するよう平成31年度税制改正要望を出しています。今回は否決されましたが、NISA制度については、また議論が生じそうです。今後法律がどう変わっていくのか、目が離せませんね。良い制度は長く続いてほしいものです。そして私たちはそれを活用し、上手に生き抜いていきたいですね。

(2019年11月26日追記)
※来年度(2020年度)税制改正大綱案に、つみたてNISAの改正が盛り込まれる予定です。
内容は、開始期間にかかわらず20年間の積立期間の確保する方向。

詳細わかり次第、記事を更新しますね。